派遣保育士のメリット・デメリットはなに?現役保育士が全て解説

保育士といっても、働き方は正社員やパートだけではありません。

フルタイムの正規保育士として働いていても、

「ご自身の環境の変化(結婚、妊娠、出産、引越し)」

「仕事内容と給料が見合っていない」

「資格はあるけど経験がないため正社員雇用が難しい」

などの環境の変化や待遇不満の理由から『派遣』という働き方を選択する保育士も増えています。

ですが、派遣保育士は近年急激に増えているので、派遣で働く保育士と聞いても、いまいちピンとこない人も多いでしょう。

そこでこの記事では、派遣保育士の仕事内容や働き方、給料や待遇などから、どのようなメリット・デメリットがあるのかを徹底的に解説していきます。

派遣会社に登録して働く保育士のパート・正社員との違い

派遣会社に登録して働く保育士のパートや正社員との違いは、保育園側での直接雇用ではなく、登録している派遣会社との間接雇用であることです。(雇用主は派遣会社になります)

保育士の人材派遣の主な雇用形態

  • 「登録型派遣」雇用契約期間の定めがある。求人の多くはこれ
  • 「紹介予定派遣」直接雇用(正社員・契約社員など)を目的としている期間は最大6か月

保育士求人サイトを確認すると、9割近くは登録型派遣の求人情報になります。

派遣は間接雇用で、保育園との間に派遣会社が入っているため、少しややこしく感じてしまうかもしれません。

ですが、派遣会社を派遣先の保育園との間に入れることで様々なメリットもあります。

派遣保育士に任される主な仕事内容

派遣保育士は担任を受け持つことは少なく、保育補助やフリーとしての業務がほとんどです。

書類などの業務も少なく、主に子どもと一緒に遊んだり、安全に過ごせるように見守ったり、保育室の掃除、排せつや着替えなどの子どもたちの身の回りの世話、担任から指示された業務をこなすといった業務が主な仕事内容になります。

基本的には、パートやアルバイトと同じような仕事内容となります。

派遣保育士の平均時給・給料はいくら?

派遣保育士の給料は、「1時間〇〇〇〇円」というように時間給となります。

特徴としては、直接雇用のパート保育士よりも時給が高い傾向にあります。

平均時給額は、お住まいの地域や、登録している派遣会社、経験により異なりますが、平均すると『時給1000円~1500円ほど』になります。

派遣保育士の月収はどのくらい?

  • 1日8時間×月20日出勤=『160000円』(時給1000円)
  • 1日8時間×月20日出勤=『200000円』(時給1250円)
  • 1日8時間×月20日出勤=『240000円』(時給1500円)

日勤フルタイムで計算すると、上記が毎月のお給料になります。

ここから社会保険料などを引かれることを考えると、手取り額は大体上記金額から2割減とみておきましょう。

給料から差し引かれるものについては、園の給食費などもあるので、詳しくは園に確認してくださいね。

派遣なのでボーナスはありませんが、時給が高いのは確かです。

「パート保育士よりも時給が高いのはどうして?」と疑問に思う方が多いでしょうが、雇用するにあたってかかる社会保険料が、雇い主である派遣会社から引かれたり、採用にかかるコストが少なくなるので、『保育園側としては結果的にコストが抑えられる』という理由から派遣保育士の時給は高くなっています。

保育士が派遣で働くメリットは?

パート・アルバイトの保育士より高時給

派遣の仕事は、全体的に見てパートやアルバイト保育士よりも時給が高いです。

ですので、同じ時間を働く場合は、当然パートやアルバイトで働く保育士よりも、月の給料は高いです。

「パートやアルバイトとほぼ同じような仕事内容で、給料が高い」となれば、間違いなく派遣の方が圧倒的に魅力的です。

時給の高い早番・遅番のみのシフトにして、短時間で高収入を得ることもできるのは派遣保育士の強みと言えるでしょう。

週3日、週4日勤務、早番・遅番なしなど、自分の都合に合った働き方ができる

派遣は、自分の条件のもとで働くことができるので、ライフスタイルの充実に繋がります。

「早番はできない、何曜日は勤務できない、1日何時間働きたい」などの細かい条件を出して働くことが可能です。

保育園はシフト制なので、直接雇用であれば色々と制限が出てきたりするケースも多いです。

ですが、派遣保育士であれば、自分の都合に合わせて固定時間内で働くことができるので、労働条件は良いのが大きなメリットと言えるでしょう。

基本的に残業なし!サービス残業や持ち帰り仕事もない

派遣保育士は雇用契約で就業時間が決まっています。

ですので、基本的に残業がないのは派遣保育士の大きなメリットと言えます。

もしも残業が発生した場合は、きちんとその分の給料がもらえます。

保育園はサービス残業が多く、忙しい時期には、1日に3~4時間の残業ということはザラにあります。

さらに、どうしても就業時間内にできなかった仕事は、家に持ち帰って作業することも多い実情があります。

ですが、派遣であればそういった心配もありません。

もしも残業をお願いされる場合があったとしても、基本的に就業する前に「残業は月に何時間くらいできるか?」「当施設は〇時間くらいの残業があるけど可能か?」など聞かれるので、働いている側も安心できるでしょう。

紹介予定派遣なら働きやすい保育園かどうかを判断しながら派遣から正社員を目指せる

紹介予定派遣は、直接雇用を前提とした働き方になります。

派遣の期間は最大6か月で、保育園側と労働者の双方の合意があれば、直接雇用(正社員や契約社員)に切り替えてもらうことができます。

「前の保育園で人間関係に恵まれなかった」

「働いてみて合いそうなら正規職員として働きたい」

など、『一度働いてみてから可能なら正社員として採用してほしい』と思っているなら、ぜひおすすめしたい働き方になります。

期間は最大6か月となっていますが、3か月前後で直接雇用に切り替わるケースも多いです。

 

注意点としては、正社員採用を目的としているので、ターゲット層は若い世代がメインとなります。

ですが、紹介予定派遣には明確な年齢制限はありません。

資格はあるけど保育経験が少なく、なかなか条件の良い正社員に採用されなかった方にとっては大きなチャンスとなるでしょう。

派遣会社が間に入っているのでトラブルや困った時も安心

園内での人間関係や雇用条件、パワハラや仕事内容の不一致などのトラブルがあった際は、営業担当者に相談すると、問題解決のために派遣会社が間に入ってサポートしてくれます。

直接聞きにくいことも、派遣会社の担当スタッフに相談すれば間に入って園と直接交渉をし、解決するよう対応してくれるので安心して働くことができます。

派遣保育士のデメリットは?※登録する前にしっかり確認しておこう

ボーナス(賞与)が出ない

正社員ではないので仕方ないですが、時給は高く設定されているものの、派遣はボーナスがありません。

派遣で働く人はそもそもボーナスは期待していないかもしれませんが、やはりボーナス時期になると、正職の方がそわそわしだすので、羨ましいなと思うことも出てくるでしょう。

ボーナス払いなどの設定をしている人にとっては、ボーナスが入るのは結構大事になってくるので、賞与なしでも大丈夫なのか?(※気持ち的に)を自分自身で確認しておきましょう。

交通費が出ない求人が多い

派遣のお仕事は、交通費支給の案件もあります。

ですが、全体的には交通費が出ない案件が多いです。

徒歩や自転車などで通える範囲であれば問題ありませんが、公共機関を利用する場合は、自分で交通費がいくらくらいかかるのかを、きちんと計算しておく必要があります。

時給が高くでも、交通費を実費負担すると毎月その分のお給料が減るので、実質いくら手元に残るのかを計算しておく必要があります。

ただ、交通費に関しては、派遣会社と交通費支給してもらうよう交渉することも可能です。

こちらに関しては担当者に相談してみてみると良いでしょう。

正規職員と比べると「担任を任せてもらえない」など、仕事内容に物足りなさを感じる

派遣保育士は、毎日の保育企画や主となって動く担任業務を任せてもらえることがほぼないため、充実感が得にくいというデメリットがあります。

あくまで正規保育士のサポート役に徹しなければなりません。

中には主担任が自分よりも年下のケースも出てくるので、このような事態を許容できるのかを自分の心に確認しておきましょう。

過去に保育経験があり、なおかつ担任としてバリバリ働いていた方にとっては物足りなさを感じてしまう場合があるので、ここは注意が必要です。

一定の保育スキルは身につくものの、キャリアアップ・昇格に関しては難しい

派遣保育士の業務は保育補助がメインとなるので、ある程度のスキルは身につくものの、スキルアップ向上には限界があり、昇格も厳しいです。

「副担任が担任へ」「担任が副主任・主任へ」とキャリアアップできるのは、やはり直接雇用されている正社員の保育士です。

派遣保育士でも、派遣先の保育園から能力や働きぶりを認められた場合は、園側から「うちで正社員として働いてほしい」と声がかかる可能性もあります。

ですが、派遣のままではキャリアアップは厳しいのが現実です。

3年以上同じ職場で働き続けることができない

保育士に限った話ではありませんが、派遣法により一般的に派遣雇用では同じ職場で3年以上働き続けることができません。

産休、育休の代替えの場合はその限りではないですが、3年ルールによって雇止めにあうため、安定した雇用条件ではないことがデメリットとなります。

3年を超えて雇用する場合は直接雇用に切り替える必要がありますが、その時に保育所側が雇ってくれるかは分からないので、長期で働きたい人にはあまりおすすめできません。

派遣はあくまで短期間の雇用におすすめの働き方と言えるでしょう。

契約更新されない、クビを切られるリスクがある

例えば、保育園の経営がうまくいっていない場合、解雇を言い渡されるのは、アルバイト、パート、正社員でもなく、間違いなく派遣労働者が一番先です。

また、クビとまではならなくても、次の契約更新がないリスクは常に考えておかなければなりません。

「保育園が何で時給の高い保育士を雇用するのか?」

この理由は、「急に保育士が辞めてしまった穴埋め」など、すぐに人材を確保したいからです。(あくまで即戦力となる)

このように、派遣保育士は高時給というメリットもある半面、不安定な雇用形態というデメリットもあるのです。

派遣保育士を辞めたい理由・悩みや、派遣ならではのデメリットとは?

派遣保育士を辞めたい理由は?

派遣が自分の環境に合う働き方ができるかを考えよう

保育業界では、人材派遣で保育士を雇用するようになってからはまだまだ歴史が浅いです。

上記で紹介したように派遣保育士にはデメリットも多々ありますが、派遣ならではの恩恵・メリットも大きいのも事実です。

メリット・デメリットを把握するのはとても大切です。

ですが、一番重要なのは、メリット・デメリットを把握したうえで『自分に合った働き方か?』どうかを考えることが最も重要になります。

派遣のお仕事を探す場合は、保育士の人材派遣の求人紹介がある会社にまずは登録することです。

保育士の派遣会社でおすすめなのは、全国対応の「ヒトシア保育」が口コミ評価が当サイトでも最も高いです。

また、地域は狭くなりますがほいく畑」(関東・関西・東海)も派遣保育士の求人紹介に力を入れているので、登録を検討しているなら、上記2つから検討してみてください。