保育士や幼稚園教諭の1、2年目は仕事に慣れず、何かと苦労するもの。
とくに、新人保育士・幼稚園教諭が悩みがちなのは『子どもとの接し方』です。
保育実習とは違い、本業の仕事として子どもと関わるのは案外難しいものですよね。
どのように接すれば「頼りになる先生」として子どもの前に立つことができるのでしょうか?
この記事では、子どもとの接し方に悩んでいる新人の保育士・幼稚園教諭に向けて、子どもと接する時のポイントを紹介していきます。
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保育士が子ども(保育園児・幼稚園児)と接する時に気をつける3つのポイント
① とにかく笑顔で丁寧な言葉で話しかける
子どもと接する時の基本は『笑顔』です。
子どもは想像以上に大人の様子を観察しています。
まず大人を見て「この人は近づいても大丈夫な人かな?」と、無意識に判断しているのです。
その判断の基準は、その人の表情や雰囲気。
不愛想で乱雑な言葉遣いでは、子どもは「この人は怖い人だ」と、心を開いてくれないでしょう。
しかし、明るい笑顔を見せれば、子どもは警戒心を解いてくれます。
笑顔に加えて、丁寧で優しい言葉遣いを心がけるのもポイントです。
丁寧な言葉遣いは、子どもの見本となるだけでなく、優しげな印象を与えることができるからです。
子どもは視覚の情報だけでなく耳からの情報にも敏感です。
声を聞けば、「優しそうな人だな。一緒に遊んでくれるかな」とその人に興味を持ちます。
子どもと接する時は「笑顔」そして「丁寧な言葉」を心がけましょう。
② 褒める時、叱る時のメリハリをつける
まだ先生になりたての頃は、子どもを褒めることはあっても、叱ることに躊躇してしまいますよね。
子どもと信頼関係を築くうえで、褒めることは大切です。
褒めることによって、子どもが「わたし(ぼく)は~できる!」と自信を持ち、色々なことに挑戦するようになるからです。
しかし、褒めるだけでは子どもから「優しいお姉さん」としか見られないでしょう。
子どもがいけないことをしても、「叱り方がわからないから」と見てみぬふりをすると、「怒られないから、やってもいいんだ」と子どもは思ってしまいます。
つまり、やっていいこと・いけないことの判断がつかなくなってしまうのです。
子どもが何かいけないことをしたら、しっかり叱る。
このようにメリハリをつけることによって、子どもが「この人は自分をよく見てくれているんだ」と感じ、あなたを信頼し、先生として認識するのです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、こちらが弱気のままでは叱っても子どもの心には響きません。
先生としての役割を忘れずに、堂々とした態度でしっかり対応しましょう。
③ 子どもの表情をよく見る
「目は口ほどにものを言う」という言葉通り、子どもの表情を見れば、その本心がわかります。
例えば、いつも仲良しの子ども2人が、なぜか別々で遊んでいる時。
「いくら仲良しでも遊ばない日ぐらいある」と捉えて、そのまま放っておくこともあるかもしれません。
ですが、子どもの表情をよく見てください。
つまらなそうな顔や不安げな顔をしていたら、それは子どものサインです。
そのような場合は、まず駆け寄って話を聞いてみましょう。
もしかすると、ケンカなど子ども同士のトラブルがあったのかもしれません。
子どもの言動に疑問を持った時や、本心が知りたい時は、子どもの表情を見ましょう。
保育士の子どもへの適切な叱り方は?
子どもを叱るときに大切なのは「雰囲気作り」です。
子どもが「あ、マズイことをしたな」と気付くことができるよう、尊厳な態度で対応しましょう。
雰囲気を作るには、周りに人がいない静かなところに連れて行ったり、トーンを落とした声掛けをしたりすることが重要です。
子どもは周りに人や物があると気が散ってしまい、話に集中することができません。
まずは、人や物が少ない廊下や保育室の隅へ移動しましょう。
それから、声のトーン落として子どもが集中して話を聞くように促します。
普段は笑顔で明るい先生が、いつもと違う声音で話すだけでも、子どもは場の空気感を察知するでしょう。
叱るときは、怒っている表情をすること、聞き取りやすいようにはっきりとした口調で話すことを心がけましょう。
大きな声で責め立てても、耳障りなだけで、結局子どもが「自分はなぜ怒られているのか?」を理解することができません。
子どもが同じことを繰り返さないようにするには、『根本を理解させること』です。
「〇〇すると✕✕になってしまう。だからいけないんだよ。」と分かりやすい言葉で、内容がしっかり伝わるように、はっきりとした口調で伝えましょう。
保育士が子どもとの信頼関係を築くには
信頼関係を築くには、「とにかく一緒に遊ぶこと」「子どもの話にきちんと耳を傾けること」が重要です。
子どもは、保育者と一緒に遊ぶことで愛着を形成していきます。
子どもにとって、相手のことを知る手段は「遊び」なのです。
一緒に遊び、楽しさを共有することによって「一緒にいると楽しい」という感情が芽生えるのです。
子どもの信頼を得るにはまず、「楽しい、好き」と思ってもらえるよう、とにかく一緒に遊んで関わりを深めていきましょう。
また、子どもの話にきちんと耳を傾けることも大切です。
子どもたちは、先生に「こんなことがあった」「これ作ったの、すごいでしょ」と、自分の話を聞いてもらいたい。
そんな子どもの話に「そうだったんだ」「本当だ、すごいね」とあいづちを打ち、コミュニケーションを取ることで、子どもは話を聞いてもらえることに喜びを感じ、安心して話すようになります。
しかし、信頼関係を築いたとしても、些細なことであっさりと信用をなくしてしまうこともあります。
失ってしまった信頼関係を取り戻すには、ごまかさずに正直に謝ること、共感してあげることが大切です。
「先生がわたし(ぼく)と遊ぶ約束を忘れた」
「○○ちゃんとばっかり遊んでいる」
理由は、子どもによって様々です。
しかし、「ごめんごめん」と軽く流せる場合と、そうでない場合があるので、後者の場合は、「○○が嫌だったんだね。辛かったね。ごめんね。先生~だったから○○できなかったの。」と理由を伝えたうえで、共感して謝りましょう。
そうすれば、子どもは「先生~だったから○○だったのか」と納得すると同時に、「理解してもらえた」と感じ、再び信頼してくれるようになります。
子どもと関わるうえで大切なのは同じ目線に立つこと
子どもを深く理解するためには、『子どもの目線に立って共感すること』が大切です。
大人となってしまった今、子どもの気持ちをなかなか理解できないこともあると思います。
しかし、「もし自分が○○ちゃんだったらどう感じるかな」と子どもの目線に立つことで、子どもの気持ちを汲み取ることができるのです。
保育士・幼稚園教諭は、子どもの目線に立たなければならない機会がたくさんあります。
例えば、子ども同士がケンカしてしまった時や、子どもが上手く製作できていない時。
ケンカの原因は、「友だちにおもちゃを取られて嫌だったのか?」
製作が進まない原因は、「道具を使うことに慣れていないからなのか?」
子どもの目線に立てば、子どもが何に引っ掛かりを覚えているのか、その原因を知ることができます。
さらに、引っ掛かりの原因がわかったら共感することも大切です。
「~されると嫌な気持ちになるよね。悲しいよね」
「~が難しかったんだね」
この共感の言葉があるのとないのとでは、子どもの気持ちは大きく変わります。
共感すれば、子どもは「この人は自分のことをわかってくれる」と思い、あなたの話を素直に受け入れてくれるでしょう。
「~だったんだね。嫌だったね。でも~してはいけないよ」と叱る時
「~なんだね。すごいね。次は~してみようか」と活動を促す時
様々な場面で活かすことができるので、常に心掛けて子どもへの理解を深めましょう。
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保育士・幼稚園教諭はという「先生」と呼ばれる立場であっても、働き始めはわからないことが多く、悩むこともあるでしょう。
しかし、立派な保育者になるためには、子どもの成長を願うその熱意が何よりも大切です。
「どうしたら子どものやる気を引き出すことができるのか?」
「どうしたら子どもたちが楽しく活動できるのか?」
声掛けや改善策を考え、工夫を凝らす向上心があれば、自然と子どもたちと信頼関係を築くことができます。
今回ご紹介したポイントを押さえて、今後の保育に取り入れてください。