加配保育士って何をする人?保育園での役割、悩み、求人の探し方

この記事では、加配保育士の役割や求められるスキル、加配保育士ならではの悩みややりがい、気になるお給料について解説しています。

加配とは?

発達障害と診断されて療育手帳を取得した子どもや、療育手帳は持ってないけどグレーとされる子ども、また、自閉症や言葉が遅い子どもに配慮を加え、保育園での集団生活を送るのが困難な子の生活をサポート・支援することです。

加配保育士については、現役の保育士さんでも詳しく知らないことが多いので、この記事を読んで参考にしてください。

加配保育士ってどんな先生のことを指すの?

加配保育士(加配の先生)とは、生まれつき発達障害などがあり、他児と一緒に保育園生活を送ることが困難な子どもに、配慮を加えながら生活を支える保育士や幼稚園教諭のことを言います。

発達障害は、

  • ADHD(注意欠陥・多動性障害)
  • ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)
  • LD(学習障害)

など、脳の機能に障害や特性があることを指します。

担当児と密に保育に携わり、園での生活の支援を行うことが加配保育士の役目となります。

障がい児への加配保育士の基準規定は?

発達障害と医師に診断されて療育手帳を持っている子どもや、療育手帳は持ってないけどグレーとされる子どもを対象に加配がつきます。

障がい児の加配に関しての基準規定は、各自治体や園により異なります。

保育園や幼稚園によって異なるものの、『子ども3人:加配1人』としている市が最も多く、次いで『2:1』としている市も20%ほどあります。

また、障がいが重度である場合は『1:1』のマンツーマンで園生活をサポートすることもあります。

さらに、療育手帳は持っていなくても、保護者の希望や園の判断で加配をつけることもあります。

診断基準を満たさないグレーゾーンの子どもを見ることも

  • 明らかに集団生活が厳しい
  • 情緒面で不安定さがある
  • 他害が多い

というような子どもに対しても加配保育士がつきます。

近年、発達障害の特徴をもつものの、診断基準に満たさないグレーゾーンの子はすごく多いです。

「自分の子が障がいを持っていると保護者が認めたがらない」

「自治体から認定がおりていない」

場合は、表面上は『健常児』として扱われますが、グレーゾーンに多いのは、圧倒的に前者(自分の子どもが障がいを持っていると認めたがらない保護者)にケースです。

この場合は、園側が加配をつけた方がいいと判断したら、たとえ正式に認定がおりていない子でも加配保育士補助保育士がつきます。

加配保育士と補助保育士との違い

加配保育士は基本的に『担当児のみのサポート』を行います。

担当児に常に寄り添い、保育園での生活をサポートします。

 

一方、補助保育士は『クラスの担任保育士の補助や、給食の配膳や日々の保育の準備などの補助業務』を行います。

必要に応じて子どもたちのサポートするのが、補助保育士の役割になります。

補助保育士はクラス全体の子どもたちのサポートが求められますが、加配保育士は担当児と付きっ切りで関わるという違いがあります。

加配保育士の役割は?求められる能力・スキルについて

加配を担当する先生は、必要に応じて1対1で園生活をサポートしながら、危険がないよう見守る保育を行うことが求められます。

ですが、だからといって担当児を特別扱いせず、集団生活に自然に溶け込めるような配慮を行うことも大切です。

生活の中で必要な援助、社会性や協調性を養うことを促しながら、子どもの自主性を引き出ししていくことも加配保育士の大切な役割です。

 

加配保育士に求められる能力やスキルとしては、障がいをもつ子の中には、自分の殻にこもってしまう子もいるので、「いかにして信頼関係を築いていけるか?」が、加配の保育士に求められる能力となってきます。

そして発達障害とひとくくりに言っても、様々な内容の障がいがあり、子によって症状や度合いも違います。

保育士が障がいに対する知識、理解を十分にもっていないと、関わるうえで大変です。

ですので、時には勉強をして知識を深めたり、保護者や園長と積極的に意見交換をする姿勢なども求められます。

子どもや保護者の力になりたいという前向きな意欲も必要になってきます。

加配保育士の仕事内容

主な仕事内容としては、担当児の障がいや障がいの度合いに応じた遊びの提供、園生活のサポートなどです。

担当児に「次はこれをしてみようか」と具体的に指示を出すことも大切です。

他児に怪我をさせる恐れがある場合は、未然に防げるように対応します。

 

一般保育士と大きく違う仕事内容としては、担当児のみの指導計画を立てたり、毎日の記録をつけたりと、担当児に集中した保育を行います。

そして重要な仕事として、家庭や行政機関との密な連携をしながら、担当児と関わることがあります。

一般保育士も保護者や家庭と連携した保育を行いますが、加配保育士はそれ以上に密に家庭や行政機関と関わります。

必要に応じて、担当児の様子や成長過程を行政機関や家庭に報告することが大切な仕事です。

担当児が休みのときは他クラスの補助も行うため、加配保育士の仕事内容は多岐に渡ります。

加配保育士になるために必要な資格は?

必要資格は保育士資格のみです。

保育士資格を取得する過程で、児童心理や障がい児保育といった内容の勉強は行いますが、実際の現場で働く上であると役に立つ資格は他にもあります。

『精神保健福祉士』は療育の相談にも乗ることができ、障がいに対してより専門的な知識をもつ証にもなります。

『特別支援学校教諭免許』も同様で、身体的な障がいに対する知識も深まります。

これらの資格を併せて保有していると給料に反映される場合もあるので、持っていて損はありません。

加配保育士の給料は普通の保育士よりも良いの?

給料は、普通の保育士とあまり差はありません。

雇用形態は、正社員、パートともに五分五分の割合で求人募集があります。

正社員であれば『月給17万円~22万円』ほど。

パートであれば『時給900円~1300円』ほどです。

派遣で募集している求人もあり、時給は直接雇用のパートと同様か、少し高めの時給で募集されていることが多いです。

待遇面は、地域や園によって異なるものの、普通の保育士よりも加配保育士の方が断然給料が良いなんてことはありません。

加配保育士ならではの悩みや辛いこと

相手が障がいをもっているので、コミュニケーションがうまく取れず、その点で悩む方が最も多いです。

また、慣れてない人だと子どものことを怖いと思ってしまうこともあります。

他にも、身体障がいがある子を担当している場合は、体力を使うために自然と足腰に負担がかかり、慢性的な疲れが溜まることも辛い悩みになります。

個別に保育計画を立てて実践するため責任が重いと、精神的、肉体的のどちらにも悩みを抱える加配保育士はたくさんいます。

加配保育士ならではのやりがいや面白さ

担当児の成長を間近で感じられる

昨日できなかったことが今日はできるようになっていたり、成長がゆっくりだからこそできるようになったときは自分のことのように嬉しく感じられます。

毎日一緒に過ごしているからこそ間近で見られるのはやりがいを感じる瞬間でもあります。

他児と同じように行事に参加したときは、日々の成長を感じられる舞台でもあるので、行事後はよりやりがいを感じられます。

新たな発見や反応が面白い

子どもの反応は素直で正直なので、それがダイレクトに伝わってきます。

同じ活動をしていても新たな発見や反応があるので、面白さを感じられます。

保護者から「こんなことができました!」と報告を受けたりすることもやりがいに繋がります。

障がいに対しての知識や理解が深まり、自身の成長になる

なかなか障がい児と関わる機会がなければ、障がいに対する知識や理解が深まりません。

ですが、加配保育士は一般の保育士とは違い、日々障がい児と関わっているからこそスキルが身につきます。

今後様々な場で活躍できるようにもなり、経験が活きていきます。

加配保育士や加配の幼稚園教諭の求人を効率的に探すには?

保育士や幼稚園教諭専門の転職サイトであれば、条件別に検索できる機能があるため、効率的に求人を検索することができます。

登録しておけば、担当者に『加配の求人募集』をあなたの代わりに探してもらうこともできるので、複数の保育士転職サイトに登録しておけば、何件かは紹介してもらえるでしょう。

また、一般の保育園でも「障がい児担当」として加配保育士を募集している求人もあるので、「障がい児の専門施設」に焦点を当てて求人を探すことも効率的です。

また、「障がい児通所療育施設」にも加配保育士の求人が多く募集されているので、この辺も覚えておくと良いでしょう。

加配保育士に挑戦してみたいという意欲を大切に、よりよい保育園や幼稚園を探してみてください。