保育士の臨時職員とは?正規職員との給料・仕事内容の違いと働くメリット

子育てや介護など家庭の事情から、正規職員ではなく臨時職員を選ぶ保育士が増えています。

この記事では、

「保育士の臨時職員はどのような条件なのか?」

「業務内容・給料は、正規職員とどう異なるのか?」

「臨時職員として働くメリット」

などについて詳しくご紹介していきます。

保育士の臨時職員とは?

臨時職員の保育士とは、『雇用期間に定めのある形態で働く保育士』を指します。

雇用期間が限定されていたり、勤務時間が短い職員を指します。

臨時という目が付く通り、公立保育園、私立保育園ともに「臨時職員枠」で求人が募集されているところが多いです。

私立の保育園では、「休職・産休・育休などの人員補填」として、契約社員や保育補助として募集がかけられることが多いです。

公立保育園の場合は、行政ごとに方針は異なりますが、正規職員の保育士数を減らし、保育士全体の人数確保という意味合いで、公募で募集をし、臨時採用をしているケースが多いです。

臨時職員の勤務期間・勤務時間は?

臨時という名が付くので、3か月~1年程度の短期間での採用が多いです。

例えば、産休・育休の人員補てんで採用されている場合は、その人が復帰するまで、もしくは新しい正規職員を採用し、人員補てんが完了するまでなど、期間は園によりバラバラです。

臨時職員と正規職員の仕事内容はあまり違いがない

実は、臨時職員と正規職員の仕事内容は、ほとんど違いはありません。

保育士の経験にもよりますが、子どもの保育や援助に加え、行事の準備や担当、書類作成なども正規職員同様の業務を受け持つことも多々ありますし、臨時職員でもクラス担任を受け持つこともあります。

また、フリー保育士としての業務であっても、クラス補助や行事の準備、当日欠勤している保育士の代わりにクラスに入ることもあります。

他にも、クラスの発達障害や、身体的な障害を持っている子どもへの援助などを行う場合もあり、臨時職員も正規職員も大きく仕事内容に違いはないのです。

フルタイムで週5~6日勤務している場合には、正規職員とは変わりなく、早朝や居残り、延長勤務を受け正職員と同様な働き方をする場合がほとんどです。

正規職員と臨時職員の保育士の給料の差はどのくらい?

フルタイムで働く臨時職員の場合は、正職員と「月給制」となることが多く、基本的に正職員の月給と遜色はありません。

ですが、正規職員の場合、昇給・昇進、ボーナスもありますが、臨時保育士の場合、行政によってボーナスはない場合もあります。

また、ボーナスが支給されても寸志程度である場合も多く、年収ベースで見ると、正規職員よりも劣る可能性大です。

クラス担任を持っている場合は、正規職員と仕事内容が変わりませんし、給料と仕事内容が見合っていないと感じるケースも多い実情があります。

保育士が臨時職員として保育園で働くメリットは?

休暇が取りやすい

臨時職員は、正規職員とくらべ、休暇を取得しやすい保育園が多いです。

とくに、家庭を持っている場合は、あらかじめシフト作成をする時に休暇申請しておくことで、優先的に休みを取れることが多いです。

正規職員はクラス担任や役職が付いていることが多く、園長がいない時には責任者として園の運営を任されることもあります。

そのため、他の正規職員との休みの兼ね合いもあり、自由に休めないこともあります。

ですが、臨時職員ならば、比較的休みも取りやすく、この点では正規職員よりも働きやすい環境にあるでしょう。

早朝、居残り、延長の専任であれば、勤務時間が固定されやすく残業が少ない

早朝勤務や居残り、延長の専任であれば、業務後に残って書類を書いたり、製作準備をすることもほとんどありません。

そのため、出勤時間がある程度固定され、残業も少ないことから、家庭との両立がしやすいです。

有期雇用であるため、ライフスプランに合わせた働き方がしやすい

臨時保育士の雇用期間はバラバラですが、大体1年契約で雇用されるケースが多いです。

お試しで働く場合や、他にやりたいことがあって1年だけ働きたい場合には、雇用期間満了後にスムーズに退職することができるのです。

例えば、自分の子どもが小学1年生になる時に、家にいて子どもを迎えたい場合や海外留学を考えている場合など、自分のライフプランに合わせて働くことができます。

公立保育園の臨時職員になるには

公立保育園の臨時保育士になるには、市町村役場の公募が一般的です。

10月から1月くらいに広報やホームページで募集をかけています。

ただし、欠員が出た場合にはこのかぎりではありません。

公立保育園の募集は、行政が管轄するので市町村役場で試験や面接を受け、合格したら採用名簿の欄に記載されます。

欠員や増員が出た場合には、声がかかり、働くことができる場合が多いです。

常に人手が足りない保育園であれば、欠員を待たずにすぐに採用される場合もあります。

公立保育園の臨時職員になる場合、すぐに保育園で働けないこともあるため、アルバイトなどをしながら声がかかるのを待つ人も多いです。

 

また、民間保育園の臨時職員になる場合には、ハローワークや求人サイトなどで募集をかけている場合があります。

不定期に採用情報があがるので、まずは保育士求人サイトに登録しておき、求人情報が掲載されたら、就職活動できるように準備しておきましょう。

臨時職員から正規職員(正社員)への採用はあるの?

公立保育園の臨時職員から正規職員への採用は、試験を受けるよりほかありません。

地方公務員試験となるため、試験に合格しない限り、正規職員にはなれないのです。

この場合、臨時職員で働いていたことは加味されないケースが多いので、試験に向けて勉強をして臨むようにしましょう。

民間保育園の場合、職員の人員補填や人員増員を考えている保育園であれば、臨時職員から正規職員へ採用される可能性はあります。

勤怠や勤務態度などで評価されるケースが多く、この場合園側から直接本人に打診されることが多いです。

また、試用期間中は臨時職員として働き、ある一定期間が過ぎて正社員になれるという保育士求人もあります。

このような募集の場合は、試用期間後によほどのことがない限りは正社員になれます。

臨時保育士は経験を積む場所と考えて、保育士としてステップアップを

保育士が臨時職員として働くケースが増えているのには、その人個人のライフワークバランスが関係していることが影響しています。

育児や介護をしながら働く場合、正規職員として働くことが難しいケースもあります。

しかし、長期にわたって臨時職員で働き続けるには、給与と仕事の内容が見合わないと感じることも多いので、正社員になるためのステップアップとして働くことをおすすめします。