転職活動を始めたものの「履歴書の書き方がわからない」という保育士、幼稚園教諭の方は案外たくさんいます。
「卒業・入学はいつから書けばいいのか?」
「西暦・元号どちらがよいか?」
と、細かい部分に行き詰って、ついつい後回しに…なんて経験はありませんか?
保育士は、履歴書でチェックされているポイントが一般職と違うので、上手に作成するにはちょっとした工夫が必要です。
この記事では、保育士向けの履歴書の書き方を詳しく解説します。
見本を挙げながら、作成方法や気を付けるべきポイントをまとめて紹介するので、転職を考えている保育士はぜひ参考にしてください。
保育士の履歴書の書き方見本(サンプル)
履歴書を作成する時のポイントは大きく分けて3つあります。
- 文字をそろえて丁寧に書く
- 適度に空白を使う
- 自分の言葉で書く
まず最初に、履歴書は「見やすさ」が命です。
あなたがどんな人間であるかを示す大切な情報源なので、とにかくキレイに仕上げることが大切です。
手書きで作成する場合は、丁寧に文字を書き、適度に改行・空白を使うことで、まとまりのある読みやすい履歴書を作ることができます。
また、面接官は目が肥えているので、ネットから丸写したような文面はすぐに見破られます。
楽をせず、誠意を込めて、自分の言葉で保育に対する熱意を伝えましょう。
保育士の履歴書の正しい書き方のポイント
【日付】は提出日を記入する
履歴書の左上にある日付には、必ず『提出日』を記入しましょう。
郵送の場合は、郵送当日の日付を記入するのが基本です。
誤って、履歴書記入日や郵送前日の意付けを書かないように気を付けてください。
西暦・元号の指定がなければ、どちらを書いてもOKですが、その際は下記の学歴・職歴の表記とそろえましょう。
うっかり別々の表記にしてしまうと、「ミスが多い人」と印象が下がることも。
最後にはきちんとチェックして提出しましょう。
【メールアドレス】はパソコンのアドレスを使用する
メールアドレスは、パソコンもしくはパソコンと共有できるアドレス(Gmail、Yahoo!メールなど)を記入しましょう。
スマホのアドレスの場合、企業からのメールが「迷惑メール」ボックスに入って気づかないケースがあるからです。
また、現在は合否の連絡や入社後のやり取りもメールで行われることが多く、書類のファイルがメールと一緒に添付されることもあります。
スマホではファイルがうまく保存できなかったり、アプリのインストールが必要だったりと、何かと面倒。
パソコンならスムーズに保存でき、作成したものも添付できるので、おすすめです。
【顔写真】はスーツ着用で3か月以内のものを
履歴書の顔写真には、スーツ着用で3か月以内に撮影したものを使用します。
顔写真は、第一印象を与える重要な部分。
あまりに古く、今の印象とかけ離れた写真を使ってしまうと、面接時に不審に思われてしまいます。
できるだけ最近のものを使用しましょう。
写真の大きさは原則『縦横4㎝×3㎝』
アップし過ぎず離れすぎず、胸から上が写ればOK.です。
少し口角を上げ、明るい表情を心がけましょう。
女性の場合、ナチュラルメイクが好印象です。
もし写真が取れてしまった時のために、写真の裏に名前と連絡先を書けば安心ですね。
【学歴】は高校・大学(短大)は入学・卒業の両方必要だが、中学までは卒業だけ記載
学歴の欄には、高校(もしくは専門学校)卒業年から書くのが一般的です。
新卒採用の時は、義務教育を書く場合がありますが、中途採用の転職には必要ありません。
それは、学歴よりも職歴のほうが重視されるからです。
ただ、会社指定の履歴書の場合、まれに義務教育まで書くこともあります。
その際は、入学は記入せず「○○小学校卒業」「○○中学校卒業」と卒業だけ記入しましょう。
【職歴】は入社・退職年月まですべて記載
学歴の入学・卒業と同じように、職歴にも入社・退職年月を書きます。
保育士の場合、会社名・法人名と、保育園名の両方を書きましょう。
職務経歴書を書く場合は、履歴書の職歴欄は簡単にまとめる程度でOK。
ですが、職務履歴書を送らない場合は、できるだけ職務内容を詳しく書きましょう。
例えば、何歳児の担任をしていたのか、役職には就いていたのか、そのあたりを記載すれば、あなたの能力が十分に伝わるはずです。
また、数回の転職を経験した人は、すべての会社の入社・退職年月の記入が必要です。
アルバイトのみの経歴しかない場合も記入が可能なので、詳しく記入してそこで身に付けたスキルをアピールしましょう。
【志望動機】はなぜこの園を希望するのか?どこに興味を持ったのかを記載
志望動機は、履歴書において最も重要な項目です。
志望動機は、あなたの意欲や、保育士としての素質が見られるからです。
現在、保育園は増えつつあり、同じような規模の保育園は山ほどあります。
そのため、「なぜこの園を希望するのか」を伝えることが大切です。
以下、志望動機の例文をまとめました。
・「前園では食育に関するイベントがありませんでした。そのため、菜園で育てた野菜をクッキングで使用するなど、食育に力を入れている保育方針に共感しました。」
・「音楽好きなので、リトミック・オペレッタ鑑賞など、音楽活動が盛んに行われている貴園に、大変魅力を感じました。」
・「スポーツ好きな私にとって、体操や運動遊びを保育に取り入れている貴園はとても魅力的に感じました。」
ほかの保育園にはない、園独自の取り組みへの興味を記載すれば「園のことをよく理解している」と好印象を持たれます。
志望動機の書き方がわからない人は、まず園のホームページやブログで、保育方針や保育内容をリサーチしましょう。
【特技・趣味】は面接時の話のネタになる
意外と苦戦するのが、特技・趣味の欄。
しかし、常識の範囲内であれば、どんなものでも構いません。
保育士の場合は、仕事にも役立つ趣味を記入するのが一般的ですね。
ピアノや製作、スポーツや料理などが例として挙げられます。
入社後の保育にどう活かせるのかを具体的に記入すれば、さらに好印象を与えられるでしょう。
ただ、保育とは関係のない「スカイダイビング」「シュノーケリング」などちょっと変わった趣味も、面接時の話のネタにもなるので記載してもOK。
面接官と一気に打ち解けられますし、「珍しい趣味の人だな」と印象を残すこともできます。
特技・趣味を通して「こんな経験があった」とエピソードをいくつか用意しておきましょう。
人事の心をつかむ!保育士の「特技/趣味」の例文&書き方履歴書は「手書き」「PC(パソコン)」どちらで書くべき?
保育士の履歴書作成は、『手書き』がおすすめです。
一般企業の転職では、PC作成が主流になりつつあります。
しかし、保育士の手書きの文字は、採用側にとって重要な情報です。
保育士は、連絡帳やお便り、日誌を書く機会がたくさんあります。
あまりにも汚く、雑な文字は「保育士としてふさわしくない」と思われ、評価も下がります。
丁寧でキレイな文字を書けば「安心して暮らす運営を任せられる」と採用側も安心してくれるはず。
文字を書くのが苦手な人もいるとは思いますが、誠意を込めて書けば、相手にも伝わるので、PCでなく手書きで作成しましょう。
書き間違えても修正ペンはNG!一から書き直す
書き間違えたら、必ず新しい紙に書き直しましょう。
履歴書は、あなたの経歴を記す正式な書面なので、修正ペンや二重線の使用は厳禁です。
もし不安なら、鉛筆で下書きをしたり、メモに書いて写し書きをしたり、対策をすれば正確に書けますよ。
何度も書き直しにならないように、慎重に、そして丁寧に書いていきましょう。
誤字脱字がないか、何度もチェックする
書き終えたら、誤字脱字がないかチェックしましょう。
自分の書いた文字は、意外に間違いがわからないもの。
最低でも3回は確認してください。
間違えがちなのは、入学・卒業、入社・退社の年月。
年号の計算ミスや、3月・4月が逆になっていることも。
また、長文の志望動機も要注意です。
文章の基礎「てにをは」は合っていますか?
漢字の間違いはありませんか?
よく読んでチェックしましょう。
家族や友人に読んでもらうと、意外なミスが見つかるので、不安な人は頼んでみましょう。
長文化し過ぎない、文字を小さくし過ぎない
熱意をアピールしたいからといって、文字を詰め込みすぎるのは厳禁です。
文字が多くて小さいと、非常に読みにくいです。
読み手の目線に立って、相手が読みやすい分量を心がけましょう。
文字数=意欲ではありません。
限られたスペースの中で、どれだけ自己PRができるのか、それが重要なのです。
「わかりやすく、簡潔に」を意識して文章を書いてください。
履歴書を提出・送付する時に気をつけたいこと
履歴書を郵送するときは、書類を折らずに入れられる大きめの封筒を使用しましょう。
サイズは、A4紙が入る角2サイズの「白」封筒を選んでください。
茶色の封筒もありますが、白色のほうが一般的です。
送付状を添えればより丁寧な印象になります。
入れる順番は以下の通り。
- 送付状
- 履歴書
- 職務履歴
防水のため、1番上にクリアファイルを入れるとなお良いでしょう。
あて先ですが、人事宛には「御中」、担当者名がわかっていれば「様」と記入します。
また、直接面接時に提出するときも、郵送と同じように白い角4封筒に、上記の順番で入れてください。
封筒の表側に、書面の表がくるように合わせるのをお忘れなく。
誠意を込めて書けば、相手に必ず伝わる!
履歴書作成には、様々なマナーがあります。
しかし、それらはあなたの誠意をアピールする通過点にすぎません。
ポイントをおさえ、丁寧な文字で書くことで「気配りのできる人」「意欲が感じられる」と採用側に誠意が伝わるのです。
作成には根気が必要ですが、履歴書は転職成功のカギを握る重要な書類です。
誠意を込めて作成し、あなたの魅力をアピールしましょう。